前科者経営者が行った出所者を雇用する際に大切な3つのこと

前科者経営者が行った出所者を雇用する際に大切な3つのこと 厚生保護

出所者を雇用する際の懸念点

SAIKI JOURNALでは、出所者・前科者の現場をお伝えしたり、社会復帰に必要な更生保護を身近に感じていただくために様々なコンテンツを発信しています。今回は出所者を雇用する際に大切なことをご紹介します。

まず初めに出所者を雇用を考える際に浮かぶ懸念点として、「また犯罪をするのではないか」という思いが大きいのではないでしょうか。
年間に2万人以上の入所受刑者の中で一度出所した後の再犯率は、再犯時の職の有無が大きなに影響を及ぼしていることがわかっています。法務省の調査によると無職の人の再犯率は26%で有職者(8%)の約3倍に上るという結果が出ています。法務省も再犯防止に向けて出所者の就労支援「コレワーク」を運営しており、国も再犯を減らす取り組みをしています。実際に出所者がしっかりと職につけるようになれば再犯率も減っていくはずです。今回はその出所者を雇用する際に離職せず長く仕事を続けられるために大切なことをご紹介します。

参考:無職の再犯率、有職者の3倍 受け入れ態勢が課題に

半年に80名の就職を支援した実績のある高山氏について

出所者の自立更生支援活動を行う日本財団の日本職親プロジェクトに、以前、関わっていた高山敦氏に聞いた「出所者を雇用する際に大切な3つのこと」を紹介します。

高山敦氏は、福岡の建設企業の顧問として半年で服役経験者を50名採用、30名に内定を出し、服役経験者の受け入れに際した組織コンサルティングをしていた経験があります。

高山 敦(たかやま あつし)
高校卒業後、税理士事務所に勤務した後、27歳で起業。ITバブルを見てIT関連事業への進出を決意するが、その軍資金を集めるために始めた事業で詐欺に加担。 4年7か月の刑務所生活を送る。刑務所で人生を見直し、社会のためになることをやろうと決意。出所後、保護司とともに受刑者の社会復帰を目的とした会社を立ち上げた後、現在は、独立して元受刑者の就労支援や自身の体験をもとにした講演活動などを行っている。2018年に前科者経営者を出版。

参考:PRESIDENT Online

出所者を雇用する際に大切な3つのこと

①応援の言葉を口にしよう

出所者を雇用した際に離職してしまう大きな原因として、一度犯罪を犯してしまった出所者/前科のある方が、社会や周りの人から疎外されることを恐れ、ありのままでいることができずに過去を隠しながら仕事をすることがストレスになるということがあります。雇用主の方は親身に面倒を見て、「俺も昔はやんちゃだった」や「過去にやってしまったことは仕方ない、これから変わることを応援してる」などの相手の過去を理解し、再起の思いに共感してあげることで雇用主の方がありのままを受け入れるという安心感を提供することが大事です。

②社員に隠さず伝えよう

初めて出所者を雇用するとなると周りの社員の方の中で不安だという声も上がることもあるでしょう。ですが実際に雇用する前に社員の方には一声かけておきましょう。社員の方が出所者の方に直接煙たがる反応をしたりすることはもちろん、間接的にも避けることはしないようにすることが大切です。

上記の図は離職の実態を分析するために離職理由を聞いた結果である。

「人間関係(上司・経営者)への不満」が最も高い割合となっている。次いで、「事業内容への不満」や「給与への不満」がそれぞれ約1割となっている。離職時期別の違いを見ると、「人間関係(上司・経営者)への不満」が就職後3年以内において顕著に高く、一方で、就職後3年以降においては、「会社の経営方針・経営状況が変化した」や「キャリアアップのため」が相対的に高い傾向にあることが見て取れる。

引用:中小企業庁委託「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」(2014年12月、(株)野村総合研究所)

出所者や前科のある方問わず働く上で大事になるのが、人間関係です。仕事を辞める理由として一番多いのが、上司や同僚との人間関係の不満となっています。やはり人一と緒に働く仕事で社内での人間関係の向上の施策は欠かせないでしょう。

また、メンターをつけたり、単純な仕事から入るなど社員のオンボーディングも欠かせません。詳しくは以下の記事を参考にして見てください。

参考:オンボーディングとは?離職防止や新入社員の活躍に効果のある実践方法と取り組み事例

③毎日必ず会話をしよう

約5年の刑務所生活を送った高山氏は、刑務所生活の苦しさ、寂しさを経験しています。長年刑務所に入っていた方は出所後もしばらくコミュニケーションを流暢に取れない人も多くいます。そんな出所者に対してしっかり寄り添ってあげることが大切です。高山氏は雇用後のケアとして出所者が就職した後に心理カウンセラーの資格を持っている職員と定期的に面談をする機会を設けていました。カウンセリングの主な効果は下記のようなものがあります。

考え方のクセを修正する
感じ方、考え方のパターンは誰にでもあるものです。負のスパイラルに陥ってしまうような考えを持ってしまうような方であれば、そのクセに気付き、修正することでもっとストレスを感じずに生活していけるようになります。

自己肯定感を得られる
自分自身を知り、考え方のクセを修正することで、このままの自分でも大丈夫、と感じていけるようになります。

参考:つきじ心のクリニック カウンセリングで得られる効果って?

上記のように仕事で関わる人や普段から接していない第三者との対話を定期的に行うことは社員の健康衛生上良い施策です。

最後に

今回は出所者や前科のある方を雇用する際に離職せず長く仕事を続けられる会社になるために、大切な3つのことを紹介しました。以下に要約をします。

  • 応援の言葉を口にしよう
  • 社員に隠さず伝えよう
  • 毎日必ず会話をしよう

実際に過去を隠さずにありのままでいてもらうためには、まずは自分の方から、既存の社員の方からありのままをさらけ出すことが大切です。その上で相手の理解して、適切な施策を実行していけば過去に過ちを犯した人でも仕事を通して再起することができるでしょう。SAIKIはその大きな役割を担うを雇用主の方を応援しています。

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